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第 5 章 生態系の遷移と動学モデル
  1 節 生態遷移の戦略
  2 節 モデルの枠組み
  3 節 生態系データの導入
  4 節 遷移とターンパイク



第 5 章 生態系の遷移と動学モデル   (副目次へ

前章で対象になったのは,生態系が定常状態(stationary state)に陥っている場合の静学的均衡である。それは,動的な変化をとらえている生態遷移(ecological succession)*の視点からいえば,生態系がいわゆる極相(climax)*状態にある場合を対象としていたのである。しかし,現実の生態系の多くは動的変化の過程にある。極相に収束しながら,撹乱のために再びその均衡から引き離されるような生態系もある。このような,生態系の動的なプロセスはどのようなモデルでシミュレートできるのかが本章で取り組む一つの問題である。また,*最大呼吸仮説は定常状態にある極相を支配する原理である。一方,*遷移の過程,すなわち動学的経路も何らかの原理によって組織されている。したがって,静学的均衡*を与える原理と動学的経路を与える原理の相互関係もまた明らかにされなければならない。本章では,前章で用いた生態系モデルの主体と要素,それらの相互依存関係をそのまま維持しながら,動学的モデルとして発展させ,最大呼吸仮説のもとで遷移過程の特徴がどのようにとらえられるのかを明らかにする。

このような生態系の動学的モデル化は 成長をはめ込まれたシステムが不可避的にもつターンパイク安定性*と生態*遷移の関係というこれまで生態学の領域でほとんどとりあげられてこなかった問題を提起する。成長経路のターンパイク安定性*とは,最適な成長経路がそのほとんどの期間を生態系のマクロ的な最大成長を実現する特殊な成長経路の上で持続するというものである。生態遷移がターンパイク安定性を有するということは,一次遷移と二次遷移の初期状態の違いによる区別が最終状態ばかりか,遷移の途上の安定した状態に影響を与えないという重要な結論を与えることになる(注1)。

1 節 生態*遷移の戦略   (副目次へ

オダムは生態遷移の発展過程と成熟期にあらわれる24点にのぼる特性の差異を,観察と推論にもとづいて提示した(注2)。そのうち本章での議論との関連で注目されるものを表~T1 に再掲しよう。

生態系の属性 発展段階 成熟段階
1. P/R 1 より大あるいは小 1 に近づく
2. P/B
3. 食物連鎖 直線的 網目状
(生食連鎖優先) (腐食連鎖優先)
4. 全有機物
5. 種の多様性
6. 栄養塩の循環 開放的 閉鎖的
7. 細屑物の役割 重要でない 重要である

表(T1) 生態*遷移にともなう特性: P/R(総生産/群集呼吸): P/B(総生産/現存生体量): 種の多様性(要素の多様性と不偏性): 細屑物(detritus)

このような特性は,生態系の何らかの自己組織化*のマクロ的戦略の帰結としてあらわれているものと推測される。しかし,これまでの章でも述べたようにこの戦略の全体は,人間に理解可能な,単純化された形であらわれるものかどうかは確かではない。自己組織化の原理そのものも複雑な構造をもっていることを否定できないのである。だからといって,不可知論*に陥る必要はない。*遷移がどのような戦略のもとに制御されるかを考える場合,出発点となるのはこれまでの章で展開した*最大呼吸仮説である。

この*最大呼吸仮説は,表~T1 にあらわれている成熟段階の生態系の多くの特徴を,モデルが的確にとらえることを可能にする。その中で最も重要な特徴は,P/R比である。成熟段階にある生態系は,その物理的条件の絶対的制約を受け,生産 P もそれによって制約される。P/R比が1に近づくことは生態系生産の絶対的制約の中で,群集呼吸が最大化されることを意味している。また,逆に成熟期にいたる以前の*遷移の過程においては,過程中に生産される*群集総呼吸を最大化することを自己組織化の戦略としていないことを意味している。しかし,それは*最大呼吸仮説と無関係な戦略が遷移の過程を組織化していることを示しているのではない。

定常均衡モデル*は,生態系の時間的限界を克服したモデルになっている。言い換えれば,生態系が無限に同じ状態を繰り返すことを前提にしているのである。これに対して生態系の動学的モデル*は,ある有限時間を前提にせざるをえない。すなわち,そこには初期状態という始まりがあり,終局としての極相*がある。そのあいだの期間の状態を提示するのが動学モデルの使命なのである。ところで,群集呼吸最大化という生態系のマクロ的組織原理は,動学モデルを必要とする有限期間においても有効だろうか。一つ確実なことは,*遷移途上での群集呼吸の最大化は最大呼吸を実現する極相状態への移行を遅らせてしまうということである。生態系が一時的な動的変化の期間のために,無限に持続することを期待している極相*状態を犠牲にするとは考えられない。

したがって,遷移の過程における生態系の自己組織化*は,最も効率よく定常均衡に到達するという戦略のもとに行なわれていると考えるべきである。言い換えれば,遷移の動的過程の戦略は最も短い時間で*群集総呼吸が最大となる定常均衡としての極相に到達することである。*遷移の過程において生産される群集総呼吸そのものは,過程を組織する積極的要因とならない。このことは,一般に遷移の初期状態として想定されるのは生態系の生産力の低い段階であるので,遷移の過程においては「 規模で測った成長」が重要な組織化の指標となることを意味している(注3)。

2 節 モデルの枠組み   (副目次へ

ここでは最も一般的な形で遷移過程を与える動学的問題を定式化しておこう。本章全体で,これまでの章と同様に,すべての主体に関わる係数は規模に関して不変であり,相互に代替不可能であるという,線形性の仮定*を採用する。

生態系を構成する主体は n ,要素は m 存在するとしよう。B をn \times mの生産行列とし,その第i行,第j列の要素 bij はある与えられた期間に第j主体の1単位の活動水準によって生産される,呼吸廃熱を除くすべての生産物,用役であるとする。この生産物,用役の中には,生体はもちろん,排泄物,二次的代謝物,動物による植物の受粉サービスなども含まれる。また,これらのフロー量を測る期間(たとえば1年)はすべて同じものであるとする。また,主体の活動水準は何によって測られてもよい。前章の場合は,植物を除く主体はすべて単位期間中の生物体有機物に体化した熱量で測っている。一つの主体の活動水準は,一つの単位で測られていればよく,主体間で異なるのは問題ではない。次に,A をn \times m の摂取行列とし,その第i行,第j列の要素 aij はある与えられた期間に,第j主体の1単位の活動水準によって必要とされる,摂取物,用役の量であるとしよう。

したがって,これらの A および B 行列は前章で示した A および B 行列とまったく同じ性格のものであり,ここではただ主体数と要素の数をそれぞれ n , m と一般化しているだけのものである。

第 t 期のすべての主体の活動水準をあらわす列ベクトルを xt とし,その第j要素 xjt は,第t期の第j主体の活動水準をあらわす。前者はベクトルであり後者はそれを構成している要素である。すなわち,xt=(x1t, x2t,...... , xnt)' である。この xt が第 t 期における生態系の群集構成をあらわすベクトルである。dt は第t期の期首から利用可能な第i要素の外部からの供給量 dit からなる列ベクトルである。x0 は,出発点における活動水準ベクトルであり与えられているとしよう。また,定常均衡活動水準ベクトルを \tilde{x} としこれも与えられているとする。この \tilde{x} は前章で与えられた均衡解を一般化したものである。いま初期状態にある期を第0期とし,最終的に定常均衡解を実現する期を第 T+1 期としよう。もちろん,T は自然数でなければならない。このとき,*遷移経路 (x0,x1,x2,...... ,xT-1,xT) を与える問題は次のように定式化される。

Min. T

s.t.

-Bxt-1 + Axt ≦ dt t=1,2,......,T   (E1)
-BxT + A\tilde{x} ≦ dT+1   (E2)
xt ≧ 0, t=1,2,......,T   (E3)

(E1)式で,Bxt-1 が t-1 期に生産されt期の期首に利用可能な形で存在する物質,用役である。Axt は t 期の活動水準ベクトルが xt である場合,t 期中に必要となる物質,用役量である。したがって(E1)式は,xt-1 と dt が与えられたもとで xt が実現可能な範囲を示すものである。(E2)式は,その最終期に関するもので最終期には定常均衡である\tilde{x} が実現しなければならないことを示している。以下の議論の必要上,この問題を解くことによって与えられる最小期間をT*としよう。

しかし,この計画期間最小化問題は直接解くのは困難であるの。そこで,次のような最終期群集構成の規模最大化問題を考える。

Max. s

s.t.

-Bxt-1 + Axt ≦ dt t=1,2,......,T   (E4)
-BxT + sA\tilde{x} ≦ dT+1   (E5)
xt ≧ 0, t=1,2,......,T   (E6)

この制約条件式は,次のような拡大された行列によっても表現できる。


ただし,sは実数のスカラーであり,最終期の群集構成である \tilde{x} の規模を与えるものである。そしてここでは,計画期間Tは与えられているものと考える。また,以下で dt は d1 を除いてすべて等しく,定常均衡を与える d,言い換えれば,前章で用いた d に等しいと想定しよう。すなわち,外部との物質的な交換は初期状態を除いて遷移の過程でも極相*でも変わらないと想定する。つまり,

d2 = d3 =, ...... ,= dT+1 = d

である。

そこで,この問題によってどのように最小期間が与えられるかを示そう。まず,Tを任意に与える。任意といっても,実際はコンピュータの能力の関係で制約を受ける。期間を与えることによって,上の問題は単なる線形計画問題になる。もし,s = 1ならば,この計画期間で生態系が定常均衡構成に到達していることを意味するので,最小期間は与えた T に等しいかそれ以下である。すなわち,T ≧ T*である。また,もし s < 1 ならば,与えた T は最小期間よりも短い。すなわち,T < T* である。これを繰り返すことによって,最小期間をえることができる。そして,この最小期間を与えた場合の解xt, t=1,2, ...... ,Tが求める生態系*遷移の動学解である。

この方法の有効性は,sが 1 を超えることができないということに依存している。この点を簡単に示しておこう。前章において分析された定常均衡解 x は次の問題によって与えられる。

Max. \Re = rx

s.t.

-Bx + Ax ≦ d
x ≧ 0

ただし, \Re は,*群集総呼吸である。また,B,A,dはここで定義されたものであるが,前章では -B+A=C として,C が定常解を与えるために用いられていた。したがって,制約条件式は Cx ≦ d と与えられていたわけである。もちろんここでは,主体数 n ,要素数 m と一般化している。また,xは主体の活動水準をあらわす量からなる群集構成であり,rは n 次元行ベクトルで,その第j要素 rj は第j主体の1単位の活動水準によって生産される呼吸廃熱量である。

ところで,dには太陽光という生態系では再生産不可能な要素が含まれ,前章における静学的な均衡群集構成の規模は,この太陽光の供給量によって規定されていた。したがって,s >1となることはありえない。またそれは,いったんs = 1 が達成されればその状態は定常的に持続可能であることも示している。したがって,sを最大化する問題を繰り返すことによって最小期間 T* をえる。

3 節 生態系データの導入   (副目次へ

*シミュレーションのためのモデル生態系の諸係数は前章と同じものを用いる。生態系の主体nは19,要素mは15である。主体および要素に関する番号,記号の対応は前章で与えられたものと同じである。さらに,A および B 行列も,それぞれ前章の表~,表~ に与えられたものと同じでよい。静学的均衡解は前章の表~ の活動水準の列に与えられたものと同じになる。

また,dは第一要素である太陽光だけが8333.333という正の値をもち,他はすべてゼロである列ベクトルである。一つ問題は栄養塩類の外部的供給をゼロとしている問題である。静学的モデルと同様に,栄養塩は窒素化合物のみを想定しているので,窒素固定菌*などによって生物的合成が可能である。もし内部合成が不可能なものであれば,定常解においては内部的なリサイクルによって資源が保持されていると考えてもよいが,*遷移の過程では外部からの供給は不可能である。ここでは,*静学的均衡との比較を容易にするためにdをそれとまったく同じものとした。

他に,初期状態x0とd1については,次節の*シミュレーションとの関係で与えることにする。

ところで,遷移には,溶岩が流出した地域などで種子なども含めて生物的要素が基本的に含まれないような状態から進行していく一次*遷移(primary succession)と,もともと生態系が存在しそれが何らかの要因によって部分的あるいは全面的な欠損が生じ,生物的要素を含んだ状態から進行する二次遷移(secondary succession)*が区別されている(注4)。ここでのモデルでは,この両者を完全に区別しながら*シミュレーションを行なうことは困難である。なぜなら,外部から種子などが飛来し発芽することと内部的に保存されていた種子が発芽することを区別する明確な手段がないからである。しかし,この区別に近い状態を初期状態の違いで実現することは可能である。

このモデルにおいて初期状態はx0とd1で与えられる。前者は出発点において存在している植物,動物,分解者など主体の群集構成であり,後者は初期に外部から供給される物質である。まず,二次遷移の初期状態としては\tilde{x} の10\%の群集構成(x0 = 0.1\tilde{x})で,d1 はまったくdに等しい(d1 = d)状態と想定しよう。つまり,定常均衡におけるのと構成比は同じで規模だけが異なる初期状態としての群集構成を与えるわけである。一方,一次遷移であるが,一見x0 = 0, d1 = d としてよさそうだが,実はこれでは生態系が発展する可能性は閉ざされてしまう。なぜなら,植物は,かならず栄養塩を必要とするが栄養塩の供給がどこからも行なわれないからである。そこで,d21 = 10とし,他の要素はdに等しいと考えよう。すなわち,初期状態で栄養塩が10単位のみ外部から供給され,太陽光がdのそれと同じだけ供給され他の要素はすべてゼロであると考えるのである。しかし,これでは最小期間が非常に長くなり,計算可能な範囲を超えてしまうので,

x01 = 0.1\tilde{x}1, x0j = 0, j = 2,3,...... ,19

としよう。すなわち,植物だけが,最終群集構成の10\%存在し,他の主体は存在しないとするのである。

4 節 *遷移とターンパイク   (副目次へ

以上を前提にして求められた最小期間(T*)は一次遷移の場合39期,二次遷移の場合29期となった。この解ベクトル(x1,x2,...... ,x39)は一次*遷移の場合 742 (=19 \times 39 + 1)列からなる巨大なものである。これをそのまま掲げることは効率的ではない。そこからいくつかの特徴的数量を構成し,最適遷移系列を分析することにしよう。表~T2 は一次*遷移系列に関するものである。

No 群集構成種 1 〜 19 P R P/R B P/B G
0 o****************** 16.67 6.67 2.500 16.67 1.000
1 o*oo********o****** 16.67 8.74 1.907 17.42 0.957 4.54
2 o*oo******o*o*o**** 1.32 3.48 0.378 2.66 0.494 -84.73
3 o*oo******o*o*o**** 5.97 4.18 1.428 7.11 0.839 167.39
4 o*oo******o*o*o**** 8.71 5.67 1.535 9.94 0.876 39.72
5 o*oo******o*o*o**** 8.12 5.87 1.384 9.54 0.851 -4.00
6 o*oo*****oo*o*o**** 8.82 8.42 1.048 11.70 0.754 22.64
7 o*oo******o*o*oo*** 12.89 8.03 1.606 14.47 0.891 23.66
8 o*oo******o*o*o**** 8.74 6.98 1.253 10.58 0.826 -26.89
9 o*oo******o*o*o**** 10.91 7.72 1.413 12.82 0.851 21.14
10 o*oo******o*o*o**** 12.67 8.80 1.439 14.75 0.859 15.12
11 o*oo******o*o*o**** 13.44 9.54 1.409 15.74 0.854 6.68
12 o*oo******o*o*o**** 14.68 10.40 1.411 17.20 0.854 9.26
13 o*oo******o*o*o**** 16.17 11.42 1.416 18.92 0.855 10.02
14 o*oo******o*o*o**** 17.69 12.51 1.414 20.71 0.854 9.42
15 o*oo******o*o*o**** 19.36 13.69 1.414 22.66 0.854 9.43
16 o*oo******o*o*o**** 21.20 14.99 1.414 24.82 0.854 9.53
17 o*oo******o*o*o**** 23.22 16.42 1.414 27.18 0.854 9.51
18 o*oo******o*o*o**** 25.42 17.98 1.414 29.76 0.854 9.50
19 o*oo******o*o*o**** 27.84 19.68 1.414 32.58 0.854 9.50
.. ................... ..... ..... ..... ..... ..... ....
.. ................... ..... ..... ..... ..... ..... ....
32 o*oo******o*o*o**** 90.59 64.05 1.414 106.04 0.854 9.50
33 o*oo******o*o*o**** 99.20 70.14 1.414 116.11 0.854 9.50
34 oo*o******o*o*o**** 108.63 77.40 1.403 126.55 0.858 8.99
35 o*oo*****oo*o*o**** 119.69 110.69 1.081 156.62 0.764 23.76
36 oo*o*****oo*o*oo*** 166.67 141.24 1.180 209.51 0.796 33.77
37 o*ooo****oo*o*ooo** 166.67 154.69 1.077 215.04 0.775 2.64
38 o*ooo*o**oo*o*ooo** 166.67 158.44 1.052 215.89 0.772 0.39
39 o*ooo*oo*oo*o*ooo*o 166.67 158.89 1.049 217.62 0.766 0.80
F o*ooo*oo*oo*o*ooo*o 166.67 158.40 1.052 217.24 0.767 -0.17

表(T2) 一次遷移系列の特性: 20〜31期については,19期の規模が 9.50\% の成長率で比例的に増加しているだけであり,群集構成,P/R,P/B,G についてはその間まったく変わっていない。

}ただし,初期状態の群集構成 (x0) と最終状態 (\tilde{x}) に関するものも加えている。表の見方を説明しよう。最も左側の列は,各期の番号をあらわしている。第0期は初期状態に関するもので,F は最終群集構成を意味している。次の欄は各期の生態系の群集を構成している種をあらわし,左からそれぞれの期に第1主体から第19主体が正の活動水準を有するかどうかをあらわしている。主体の順番は前章の表~ と同じである。`o'はその主体が正の活動水準を保持していることを意味し,`*'は活動水準がゼロであることをあらわしている。次の欄以降は,植物の*粗生産水準(P),*群集総呼吸(R),P/R比,群集全生体量(B),P/B比,群集総生体量で測った成長率(\%)である。

各期の群集構成種に関する系列からみていこう。初期状態はすでに述べたように植物だけが個体群を形成している。第1期は,外部から供給された栄養塩と太陽光によって植物(1列)の生産が行なわれる。また,初期状態における植物生産に対して,脊椎変温植食動物(3列),無脊椎植食動物(4列)および植物遺体の腐食動物(13列)が活動する。第2期にはこれらの生産された動物生体,および排泄物に関して,一般排泄物に対する腐食動物と動物遺体に関する腐食動物の活動が加わる。その後かなりの期間にわたってこれらの種が生態系の構成主体となっている。そして,最終期に近づくにしたがって,群集を構成する種が爆発的に拡大し,極相*を構成する多様な群集構成を生み出していることが分かる。

表~T2 および 図~F1 から分かるように,P,B,Rの系列はよく似た特徴を有している。



図(F1) 生産,総呼吸,生体量の動態

すなわち,前半は急激な落ち込みの後,徐々に増大を開始するが,不安定な動きをしている。中盤では比例的な増大を持続させている。これは,Bの成長率の指標によってはっきりと確認される。すなわち,第17期から第33期あたりまで,9.5\%パーセントの一貫した成長を続けているのである。その後,最終期へ向けた調整に入り,構成種の増加とともに不安定な変化があらわれる。

P/R比,P/B比の動きはOdum~ の指摘にちょうど対応している。すなわち,前者は最終局面が近づくとともに1に近づき,後者は低下している(図~F2)。



図(F2) P/R の動態



以上のすべての指標に関して,*遷移の中盤は非常に安定した成長局面にあることが示されている。これは,この期間がちょうど成長のターンパイク経路*に乗っていることを示しているのである。ターンパイク経路は,最大の成長率で均斉成長(balanced growth)*を実現する経路であり,初期状態と最終状態に依存せず,計画期間が長くなればなるほど,ほとんどの期間を最適経路がこの経路に完全に乗ってしまうことからこの名前がつけられた。すなわち,*ターンパイクとは高速道路であり,出発時点と目的地が高速道路から離れていても,目的地が遠くであればあるほど高速道路を使う有利性があらわれるのをたとえている。ターンパイク上では,正の生産をもつある固定した主体が,同じ成長率で成長し続ける。言い換えれば,この期間は主体構成比が不変に保たれるということである。生産のある第 1,3,4,11,13,15 主体について各期の成長率がどのようになっているかを表~T3 に示しておこう。

No 1 3 4 11 13 15
1 0.00 --- --- --- --- ---
2 -92.11 0.00 0.00 --- 0.00 ---
3 353.89 -92.11 -92.11 85.24 -92.11 77.77
4 45.85 353.89 353.89 -10.84 353.89 -14.86
5 -6.70 45.85 45.85 6.22 45.85 7.79
6 8.59 -6.70 -6.70 -23.65 -6.70 15.03
7 46.14 8.59 8.59 25.01 8.59 -16.24
8 -32.16 46.14 46.14 27.05 46.14 33.05
9 24.74 -32.16 -32.16 21.45 -32.16 15.94
10 16.19 24.74 24.74 5.03 24.74 3.97
11 6.05 16.19 16.19 8.76 16.19 9.05
12 9.25 6.05 6.05 10.43 6.05 10.55
13 10.13 9.25 9.25 9.41 9.25 9.34
14 9.40 10.13 10.13 9.37 10.13 9.37
15 9.42 9.40 9.40 9.54 9.40 9.56
16 9.54 9.42 9.42 9.51 9.42 9.51
17 9.51 9.54 9.54 9.49 9.54 9.49
18 9.49 9.51 9.51 9.50 9.51 9.50
19 9.50 9.49 9.49 9.50 9.49 9.50
.. .... .... .... .... .... ....
.. .... .... .... .... .... ....
32 9.50 9.50 9.50 9.50 9.50 9.50
33 9.50 9.50 9.50 9.50 9.50 9.50
34 9.50 --- 9.50 9.50 9.50 9.50
35 10.19 --- 9.50 -25.21 9.50 5.98
36 39.25 --- 10.19 -38.40 10.19 -11.65
37 0.00 --- 39.25 -40.12 39.25 -42.77
38 0.00 0.00 0.00 -13.33 0.00 -27.58
39 0.00 0.00 0.00 0.56 0.00 -86.36
F 0.00 0.00 0.00 -14.13 0.00 216.84

表(T3) 一次遷移における主体別成長率: 20〜31期については,すべてが 9.50\% の成長率となっている。

ここで,当期か前期のいずれかあるいは両方のデータが欠落して成長率の計算が不可能な期については --- が施してある。これを見ても,中盤のかなりの期間にわたって記載されたすべての主体が同じ成長率で成長している,すなわち,ターンパイク経路に乗っていることが分かる。

*遷移過程で*ターンパイク経路に収束することは, 成長が自己組織化*の基本的な戦略になっていることを意味している。ここでのモデルにおけるターンパイクの機能をより詳しく検討しよう。まず,ターンパイク上の種の構成に注目する必要がある。ターンパイク上では生産者としての植物,消費者としての植食動物,分解者としての腐食動物が群集の構成主体となっている。種として微生物が加わっていないことは現実性の点から一つの難点になっている。これはモデルの限界をあらわしているが,ここでは構成する分解者が微生物ではなく三種類の腐食動物に限定されている理由を探ることによって*ターンパイクの生態系にとっての機能の理解に迫ろう。

静学的な均衡解においては,排泄物食の2種の微生物(8列 および 10列)も正の活動水準をもつ。なかでも,一般排泄物の微生物は腐食系の中で最も巨大な規模を誇っている。しかし,このターンパイク上ではまったく存在意義を見い出せないでいる。この違いは微生物と腐食動物がモデルの中で担わされている機能の差によって生じている。最も決定的な差異は栄養塩の生産効率である。群集の成長過程の本質的な制限要因は栄養塩である。太陽光は常に静学均衡を約束するほど提供されているが生態系内の物質循環と生物的合成によって支えられている栄養塩は植物の生産を直接制限している。このモデル上での微生物と腐食動物では栄養塩の生産効率に大きな違いがある。

たとえば,一般排泄物について,微生物と腐食動物を比べてみよう。熱量で測った1単位の摂取に対して微生物の場合0.6単位を呼吸廃熱化し腐食動物の場合はそれは0.12単位にすぎない。すなわち,微生物は腐食動物の5倍の廃熱生産効率をもっていることになる。一方栄養塩は,同じ1単位の摂取に対して微生物は0.8単位,腐食動物は0.4単位である。微生物の栄養塩生産効率は腐食動物の2倍とどまっていることになる。すなわち,微生物は呼吸廃熱に対する栄養塩の生産効率が腐食動物に比してかなり低くなっているということである。腐食動物の呼吸廃熱化しなかった部分は,熱量を体化する形で動物体,排泄物に転化する。さらにそれらが分解される過程で栄養塩を生産することを考えれば,微生物の相対的な栄養塩生産効率の低さは最大成長を実現する上で大きなハンディキャップとなる。それは逆に,呼吸廃熱を最大化することを生態系が戦略とする場合には微生物の存在意義は大きくなることを意味している。すなわち少なくともこのモデルに関する限り,*遷移の過程の分解者の中での主役は腐食動物であり,極相*においては微生物となることを意味しているのである。

ただし,このような簡単なモデルの分析からターンパイクがより少ない種によって構成されると言明することはできない。一つ言えることは,呼吸廃熱の生産はエネルギー利用の結果であり,エネルギー利用が生物の一般的な活性の基本的条件であること,一方,成長過程ではこのエネルギー利用以外の外部的制限要因が効いてくる可能性が高いならば,*遷移の*ターンパイクの極相*に対する構成種の少なさは一般的な現象と言えるかも知れない。この点はさらに広い視点からの検討が必要である。

以上の一次遷移に関する結果を二次遷移の場合と比較してみよう。一次遷移の表~T2 と同じような規準で構成された,二次遷移の計算結果を表~T4 に掲げよう。{\tabcolsep = 5pt

No 群集構成種 1 〜 19 P R P/R B P/B G
0 o*ooo*oo*oo*o*ooo*o 16.60 15.81 1.050 21.66 0.766
1 o*oo****o*o*o*oo*** 16.67 10.97 1.519 18.91 0.881 -12.67
2 o*oo******o*o*o**** 11.07 9.09 1.218 13.56 0.817 -28.32
3 o*oo******o*o*o**** 14.97 10.44 1.434 17.52 0.854 29.21
4 o*oo******o*o*o**** 17.12 11.89 1.439 19.92 0.859 13.69
5 o*oo******o*o*o**** 18.01 12.82 1.405 21.11 0.853 6.00
6 o*oo******o*o*o**** 19.76 13.99 1.412 23.15 0.854 9.64
7 o*oo******o*o*o**** 21.77 15.37 1.416 25.47 0.855 10.05
8 o*oo******o*o*o**** 23.80 16.83 1.414 27.86 0.854 9.36
9 o*oo******o*o*o**** 26.05 18.42 1.414 30.49 0.854 9.44
10 o*oo******o*o*o**** 28.53 20.17 1.414 33.39 0.854 9.54
11 o*oo******o*o*o**** 31.24 22.09 1.414 36.57 0.854 9.50
12 o*oo******o*o*o**** 34.21 24.19 1.414 40.04 0.854 9.49
13 o*oo******o*o*o**** 37.46 26.49 1.414 43.84 0.854 9.50
.. ................... ..... ..... ..... ..... ..... ....
.. ................... ..... ..... ..... ..... ..... ....
24 o*oo******o*o*o**** 101.66 71.88 1.414 118.99 0.854 9.50
25 oo*o*****oo*o*o**** 111.32 85.49 1.302 133.59 0.833 12.27
26 oo*o*****oo*o*oo*** 131.22 117.93 1.113 168.63 0.778 26.23
27 oo*oo****oo*o*ooo** 166.67 147.00 1.134 211.98 0.786 25.70
28 o*oo**oo*oo*o*ooo** 166.67 155.95 1.069 215.76 0.772 1.78
29 o*ooo*oo*oo*o*oo**o 166.67 160.07 1.041 218.75 0.762 1.39
F o*ooo*oo*oo*o*ooo*o 166.67 158.40 1.052 217.24 0.767 -0.69

表(T4) 二次遷移系列の特性: 14〜23期については,19期の規模が 9.50\% の成長率で比例的に増加しているだけであり,群集構成,P/R,P/B,G についてはその間まったく変わっていない。

}また,表~T3 に対応するものを表~T5 に示しておこう。

No 1 3 4 11 13 15
1 0.40 -0.40 -0.50 256.69 -0.39 507.39
2 -33.56 0.40 0.50 66.08 0.40 30.27
3 35.16 -33.56 -33.56 19.46 -33.56 10.59
4 14.36 35.16 35.16 3.68 35.16 2.67
5 5.24 14.36 14.36 9.37 14.36 9.81
6 9.71 5.24 5.24 10.53 5.24 10.61
7 10.17 9.71 9.71 9.30 9.71 9.21
8 9.32 10.17 10.17 9.38 10.17 9.39
9 9.43 9.32 9.32 9.56 9.32 9.57
10 9.55 9.43 9.43 9.51 9.43 9.50
11 9.50 9.55 9.55 9.49 9.55 9.49
12 9.49 9.50 9.50 9.50 9.50 9.50
13 9.50 9.49 9.49 9.50 9.49 9.50
.. .... .... .... .... .... ....
.. .... .... .... .... .... ....
24 9.50 9.50 9.50 9.50 9.50 9.50
25 9.50 --- 9.50 0.83 9.50 9.50
26 17.88 --- 9.50 -26.52 9.50 0.05
27 27.01 --- 17.88 -42.52 17.88 -20.69
28 0.00 --- 27.01 -39.31 27.01 -40.63
29 0.00 0.00 0.00 -9.41 0.00 -89.75
F 0.00 0.00 0.00 -5.76 0.00 238.76

表(T5) 二次遷移における主体別成長率: 20〜31期については,すべてが 9.50\% の成長率となっている。

これら二つの表からも明らかなように,初期状態から*ターンパイクに収束する過程は初期状態の違いを反映してかなり異なったものとなっているが,ターンパイクに収束して以後の動きはほとんど違いがあらわれない。最終局面のわずかな差異は,このモデルが時間を離散的なものにしているためにターンパイクから離れる局面における到達段階がわずかに異なっていることを反映しているにすぎない。すなわち,初期状態の差異の影響は最終局面ではわずかにしかあらわれてこないのである。ここに,成長における*ターンパイク安定性の特徴が鋭く表現されている。

*ターンパイク安定性にあらわれるような動学経路の著しい特徴と*遷移の現実を対比させた場合,いくつかの問題点が浮かび上がる。第一は,ターンパイク安定性は生態系の動学的変化が極端に単純化してしまうことを意味するのに対して,現実の生態系の変化は優占種*の逐次的な交代やさまざまな個体群の間の規模のバランスの変化など,*遷移の過程での生態系の変化が多様性と複雑性*を有しているように見えることである。これは,遷移の過程で植物の集合は他の昆虫などの生物の空間的環境*をつくりだすなど,種の存在や変化により環境の変化が引き起こされ,その変化した環境に適応した次の生物種が存在を拡大するといった形での,種の存在と環境の間のダイナミックな対応関係が存在していることとも関連している(注5)。

しかし,このことがただちに*ターンパイク安定性の生態遷移における非現実性を意味しているわけではない。ここでのモデルは,きわめて単純な構成であるために,個体群間の関係が物質的授受に限定されていた。前章でも述べたように,そのことが定常均衡解において十分な*種の多様性を実現できていない要因でもある。このような傾向は,動学的解においてもあらわれる。ターンパイクを構成する種が少ない,あるいはターンパイクの前後のフェーズとの間での種の交代が貧弱なのは,モデルにおける主体の数に対して相対的に要素の数が少ないこと,すなわち物質の多様性が存在していないこと,および非物質的な要素の生産と摂取を十分にモデルに体化させていないことが原因である。植物が動物のすみかなどの空間的環境をつくりだすことも,植物による非物質的な用役の生産としてモデル化は可能なのである。だから,モデルのこのような弱点を解消することによって*遷移の過程における群集変化の多様性と複雑性*をよりはっきりと表現できる可能性は高い。

第二は,遷移経路の唯一性の問題である。ここでは,あたかも遷移経路はえられた最適経路以外に存在しないかのように議論してきたが,複数の最適解としての遷移経路が存在しないことを積極的に証明してはいない。すなわち,同一の静学的均衡解に同一の期間で到達できるような解が複数存在することは否定できないのである。この遷移経路の複数性*は,モデルの分解可能性(decomposability)*と密接に関連している。分解可能性とは,システムの内部に他の主体,要素とは独立に成長を持続することが可能な部分システムが存在している場合である。ここで用いた生態系モデルも弱い形であるが分解可能性を有している。というのは,ターンパイクが肉食動物抜きで持続されているように,部分システムだけで持続可能なのである。もちろん肉食動物を不可欠の要素とする持続可能な部分システムが存在しないという点では,分解可能性は完全ではない。このように考えれば,生態系は多様な部分システムを内部に抱え込む必然性があることを容易に理解できるだろう。システムが複雑になるにしたがって,部分システムが多様に存在するようになり,代替的部分システムが,主体の重ならない形で存在する可能性もでてくる。最終状態は同じでも,*遷移の過程がどのような部分システムによって支えられるかについて選択可能であると,遷移過程が唯一に与えられなくなる。初期状態や環境のわずかの変化によってどちらかの遷移に一挙に入り込むということは十分ありえる(注6)。

第三点は,遷移経路の巨視的な制御メカニズムの問題である。*遷移がある戦略のもとに経路を自己組織化*するというのは,それを意識的に行なおうとする主体,またそれが可能な主体の存在していない生態系では,個々の種,個体群がどのように全体のマクロ的な目的に自発的に,あるいや強制的に適応していくのかが問題とならざるをえない。実は,これは*静学的均衡においても同様に問題になった点である。これまでの章ですでに細かい検討を加えているが,ここでも要約的に述べておこう。これは,全体の問題としてのマクロ的な秩序と各主体に関わるミクロ的な動機の整合性の問題である。この整合性が実現されるためには,(1)ミクロ主体に,この整合性の要請を受け止めるプログラムが何らかの形ではめ込まれていなければならないこと,(2)全体の秩序のためにその主体に要請されるものが情報として伝えられる,したがって情報として受容される機能がシステムと主体に備わっていなければならない。最初のものは,*進化の過程で主体の遺伝子*の中にはめ込まれていなければならないものである。すなわち,個々の生物種の存在を究極的に約束するものは単にその個別的生物種の環境適応性*というよりも,その種が一つの主体となった生態系がより高い水準での自己保存性をもっていることなのである。したがってこれは,構成するすべての生物種が全体の高い活性水準に貢献するような生態系が選択的に保存されるのであり,全体的秩序を省みない種は,それによって構成される生態系が淘汰されるために,存在を持続できなくなることを意味する。これはシステム進化の仮説*が主張している点である。

後者の問題は次のように考えられる。すなわち,生態系が生物のさまざまな二次代謝物*によって相互に影響を与え合っているいることをとおして,現実に情報の交換は行なわれているということである。主体の動機とマクロ的な秩序が整合性をもつためには,マクロ的な秩序にとって必要なものが主体に情報として明らかにされなければならない。その情報とは,ここでの線形動学モデルの場合,最終規模最大化問題の双対体系によって与えられる価値体系である。本章ではこの双対問題を明示的に解いていないが,双対価値体系はマクロ的な秩序にとってある要素の必要性の高さを価値として与えている点で,この情報に対応すると考えられるのである。もちろん,これもいまだ仮説という範囲を超えるものではないが,*遷移と生態系をとらえる上で新しい視座を与えるものである。

本章は,前章が与えた生態系の静学的モデルの動学的展開の有効性を示すことを目的としていた。それは,生態*遷移の理論的モデル化であり,モデルそのもの可能性,有効性を示すことができた。また,それによって, 成長を動機としたシステムが不可避的にもつことになる ターンパイク安定性*と生態遷移の関係の新たな問題を提起することことができた。この最後の点では,さらに精密な検討が求められている。今度,基本的なモデルの枠組みをより現実の生態系に対する近似性の高いものにし,生物一般の存在様式としての生態系の理解の深化につなげていく必要がある。

脚注

(1)ターンパイク安定性については,Tsukui and Murakami~ , 鷲田~ など。(もどる
(2)Odum~ 。(もどる
(3)生態遷移の過程を,500cc ほどのフラスコの中のミクロコズム*について詳細な分析をした結果が栗原~ に報告されている。この報告の内容と,本章で提起する最大呼吸仮説による生態遷移の過程の分析との関係についての研究は,今後の課題の一つである。(もどる
(4)Odum~ , 田川~ など。(もどる
(5)表~T1 においてオダムは,遷移が成熟過程にはいると「{\bf 種の多様性}」*は低下するとしているが,これはオダム自身も述べているように確証されたものではない。たとえば,栗原~ はミクロコズム*における生態遷移の実際の過程を実験した結果として,成熟期における生態系構成種の多様性を指摘している。(もどる
(6)分解可能な経済の*ターンパイク安定性については Washida~ 参照。(もどる



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